「広島大学産学官連携推進研究協力会」設立総会・記念講演会を開催しました!
広島大学産学官連携推進研究協力会は昨年(2010年)11月に設立し,会員数が100(法人会員・個人会員・賛助会員)を超えましたことを機会に,平成23年9月16日(金),ホテルグランビア広島にて,設立総会・記念講演会を開催しました。
広島大学より,当日の開催概要についてご紹介します。
○総会(4階 悠久の間) 16:00〜16:55
まず総会では,研究協力会の設立経緯等について,総合進行役の本学宮地社会連携推進機構長が説明を行いました。続いて,委任状を含む会員過半数以上の出席により,総会が成立することが報告されました。規約により本会の会長は広島大学長が務めることになっており,浅原学長が会長としての挨拶を行いました。
以下,議事に移る前に,研究協力会がすでに実施中の事業(「技術・研究紹介と交流のゆうべ」,「地域企業若手技術者向けイノベーション研修プログラム」など)について事務局が紹介を行いました。
引き続き,浅原会長が議長を務め議事の進行に移りました。まず,報告事項として規約を事務局が行いました。続いて,審議事項に移り,最初に本研究協力会役員の委嘱・紹介が行われ,その後,本会の中に置く「活動評価委員会」委員の議長提案がなされ,満場一致で承認されました。
次に,事務局より本年度(未実施の事業も含む)事業計画(案),ならびに予算(案)について詳細な説明がなされ,審議の結果,満場一致でこれらの(案)は承認されました。その他については格段の意見もなく,最後に澤産学・地域連携センター長による閉会の挨拶により設立総会は無事終了しました。
以下、記念講演会ならびに交流会は、より多くの皆様方に広島大学との連携を深めていただく意味合いもあり、研究協力会会員以外の方にもご出席をいただきました。
○記念講演会(4階 悠久の間) 17:05〜17:55
「マツダの開発の方向と産学官連携への期待」
講師:マツダ株式会社 代表取締役 副社長執行役員 金井誠太 氏
座長:広島大学 理事・副学長 岡本哲治
記念講演会は,本研究協力会の副会長でもあるマツダ(株)金井副社長に講師をお願いし,「マツダの開発の方向と産学官連携への期待」という演題でご講演をいただきました。座長は本学の岡本理事・副学長が務めました。最初に,自動車産業に関連する過去からの技術的背景,ならびに現在抱えている諸課題について触れられました。自動車産業に限定したことではなく,日本の製造業の国際競争力は最近の異常なまでの円高も相俟って危機的な状況にあります。しかし,日本は今後も工業を発展させることでしか生き残れないであろうし,本年3月に起こった東日本大震災の復興への強い決意と共に,政官財民が一体となってこれらを克服する必要があろう。そして,日本の唯一の資源は「技術」であり,それを生み出すのは「人」であることを強調され,第一部は結ばれました。
引き続き第二部では,「マツダの開発の方向」として,マツダのブランド価値,サステイナブルzoom-zoom宣言,ビルディングブロック戦略について触れられました。従来のベース技術の徹底した追求と車両の軽量化によるSKYACTIVテクノロジー,さらにはi-stop技術を組み合わせて開発された新型“デミオ”は,ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)とは異なった意味で,環境にやさしい自動車開発の一つの方向性を示すものと感じました。ハイブリッド技術にSKYACTIVエンジンを組み合わせたHEVを2013年には販売開始するとのことでありました。第二部の終わりに,ブランド価値を高め,ビジネス効率を向上するためのマツダ「モノ造り革新」の概要も説明されました。
最後の第三部では,「産学官連携への期待」と題して,まず,自動車会社一社での取組みには限界があり,今後は産学官がそれぞれの役割を果たしながらより連携を深め,サステイナブルな生態系の形成を目指すことが重要であると強調されました。ご講演の最後として,2005年からの本学工学研究科との包括的研究連携について話しをされ,そこから、エンジン燃焼現象の解明や高効率燃焼技術の開発,資源循環型樹脂(バイオプラスチック)を用いた内装材開発などの成功事例を挙げていただきました。また今後は,商品企画,経営・ビジネスなど自動車のあらゆる分野に協定を拡大することが重要であり,そのために2011年から本学全体との包括協定契約を結んだことにも触れられました。
終わりにもう一度,日本の唯一の資源は「技術」,それを生み出すのは「人」であることを強調され,産学官の連携がこれまで以上に重要であると結ばれました。講演終了後には学長等との質疑応答も行われ,最後は大きな拍手を持って講演を終了することができました。
○交流会(3階 飛鳥の間) 18:00〜19:30
以上の設立総会と記念講演会に引き続き,会員等とのface-to-faceの親睦を深めることを目的に,交流会が開催されました。交流会は,浅原学長の開会挨拶に続き,井辺中国経済産業局長による来賓挨拶が行われ,金井マツダ副社長(本会副会長)の乾杯のご発声により開始されました。その後,各テーブルでは,いくつもの話の輪ができ,交流会は終始和やかな雰囲気で開催されました。中締めとして,都留中国経済連合会理事にご挨拶をいただき,名残を惜しみながら交流会も盛会裡に終了することができました。
終わりに当たり,総会等に多数ご参加いただきました会員等の皆様方に厚くお礼を申し上げて,設立総会等のご報告に替えさせていただきます。
※「広島大学産学官連携推進研究協力会」の詳細につきましては,こちらのリンク先をご参照下さい。
【お問い合わせ先】
広島大学 産学・地域連携センター 国際・産学連携部門
TEL:082-421-3631 FAX:082-421-3639