『第4回中国地区高専テクノマーケットin津山』に参加しました!
平成23年12月3日(土),津山国際ホテルにおいて,「第4回中国地区高専テクノマーケットin津山」(主催:独立行政法人 国立高等専門学校機構,中国地区8高専)が開催され,中国地域の企業,産学官連携の関係者,および同時開催した「就活キャリヤ教育」に参加する学生,教職員,企業など合わせて約350名が参加しました。
本テクノマーケットは,文部科学省産学官連携戦略展開事業の一環で,中国地区8高専が地域産業界のイノベーション創出を目的に各高専関係者が一堂に介し,ポスター展示,プレゼンテーション等による研究シーズ発表会,就活キャリヤ教育等を開催し,地域企業や一般市民との交流を図るものです。
本イベントに参加した中国経済連合会より,概要を報告いたします。
◆開会挨拶
(独)国立高等専門学校機構 理事 五十嵐一男
津山工業高等専門学校 校長 稲葉英男
津山市 市長 宮地昭範
◆基調講演『新エネルギー、エネルギー貯蔵も含めた世界の動向』
(鞄立製作所 電力システム社 新事業推進本部 部長 稲毛真一 博士)
稲毛博士が出向していた国際エネルギー機関(IEA)では,2050年の二酸化炭素排出量を2005年比半減を提唱しており,それを達成する手段として,発電部門では原子力,再生可能エネルギー,CCS(二酸化炭素を捕獲,貯蔵する技術)に大きな期待を寄せている。しかし2050年には57Gtに達すると予測される排出量を14Gt(2005年28Gt)に抑制することは大変厳しいシナリオで,例えば原子力,風力を例にあげれば,2050年までの40年間で原子力を30基/年,風力を16000基/年の割合で新規建設していく事に相当する。
稲毛博士はIEA出向中,将来の再生可能エネルギーの大量導入に伴う電力系統への影響,その対策としての電力貯蔵技術の役割,またスマートグリッド導入による効果を評価するためのシミュレーションを行い,国内外に向け,その報告書を提出した。それによると,2050年の再生可能エネルギー(風力,太陽光)の電源構成割合を30%と予測し,風速,天気等による出力変動量を15〜30%と仮定すると,これを吸収し電力を安定供給するためには,電力貯蔵量として189〜305GW程度が必要となる。因みに既存貯蔵量は100GW,1GWは原子力発電1基分に相当する。これに対し,スマートグリッド導入によるロードシフティングやEVによる電力貯蔵機能を活用すれば,電力貯蔵容量を67GW〜45GW程度までまかなえる結果となった。
◆製品・商品の高専開発成功事例の発表(高専・企業のコラボ成功事例発表:8件)
・「電気床暖房ヒータのエネルギー評価から 夢の商品開発へ」 (米子高専,スリーエステクノ梶j
・「冷凍庫(電場及び超音波を用いた急速冷凍方法及び冷凍庫)特許取得に関する成果」 (松江高専,マルシェマシーナリー梶j
・「誘導型無電極蛍光ランプシステムの開発」 (津山高専,パナソニック電工インフォメーションシステムズ梶j
・「GPS端末を用いたコミュニティバス運行状況および島内お出かけ情報表示システム」 (広島商船高専,(有)シスコム)
・「家庭用蓄電システム「貯電箱」の開発」 (呉高専,ネクスト・e)
・「宇部市営バス交通案内システムの概要と利用状況について」 (宇部高専,宇部市交通局)
・「水素・酸素混合ガス添加による舶用ディーゼル機関の燃焼改善効果」 (大島商船高専,鰹コ和テックス)
・「家庭用安心サポートシステムの開発」 (徳山高専,鰍ンらいジャパン)
◆技術職員による技術・教育支援の成功事例の発表(高専技術職員の技術・教育支援の成功事例発表:8件)
・「学生を伴う海外活動における教育・技術支援事例の報告」 (米子高専)
・「学務情報システムの開発」 (松江高専)
・「実践的なシーケンス制御実験への改良技術支援」 (津山高専)
・「広島商船高等専門学校における技術支援について」 (広島商船高専)
・「コンクリート抜取コアの受託試験について」 (呉高専)
・「技能検定委員としての支援について」 (宇部高専)
・「起業家養成プロジェクト(島スクエア)における技術職員の活動報告」 (大島商船高専)
・「防草材の性能評価に関する技術支援」 (徳山高専)
◆就活キャリア教育
高専生約200名を対象にした就職キャリア教育、就職相談の企業(20社)ブース
◆閉会挨拶
米子工業高等専門学校 校長 斉藤正美
(中国経済連合会 都留)